フライング蝉

　去年の今日は卒業式で、不良大学生だった僕は、遅刻＆私服というふざけた感じで。
でも、一応は敬意を表して、封印していた『正調小西大学通学スタイル』で参加してやったんだぜ。回りは全員がスーツで、浮きまくってしまい、いたたまれなくなり、途中で抜け出してしまったけれども。
　不思議なことに、式当日の心境って覚えていないんですよ。卒業が決定した瞬間のことはこと細かく憶えているのに。あまりにも長く大学にいたから、そんな『卒業式』なんていうシステムごときでは学生気分が抜けきらなかったのでしょう。実際に、今でも抜けきっていませんよ、学生気分は。それでも何とか生きていけてるっていうことは、それでいいんだと、好意的に受け止めていますがね。卒業式なんて、どこか他人事で、どうでもよかったような、そんな感じだったんでしょう。それよりも、4月1日から始まる無職生活に対する漠然とした不安が勝っていたような。当時は無理やりに振り払っていたけれども。
　んでまあ、今年も後輩の卒業式だったわけで、OBも集まってお祝いしようぜ、ってなったんだけど、仕事が長引き、断念。いつもはそこまで長引かない残業が、今日に限って長引いてしまいました。今までの僕ならば、仕事なんか休んででも参加していたのだろうけれど、やはり、心境の変化というか、ちょっとありますよね。
　ともあれ、読んでるか知らないけれどこの場を借りて、卒業おめでとうございます。それから、在校生、がんばって面白い本作ってください。