ボーアンドアロー

今年の三月くらいかなあ、家のすぐそばにあった中華料理屋が潰れてしまったんですよ。本当に、心の底から思っていたのですが、物凄くまずそうな店でした。『ミソラーメン』を注文したら『クソラーメン』がでてきそうな、そんなたたずまい。立地条件も、ふつうの神経の持ち主ならば、絶対に借りないような辺鄙な場所ですしねえ。しかも営業時間がやたらと短くて、夜の七時にはもう閉店。そんな店だから、永遠に閉店してしまったんでしょうね。
別段興味もなかったので、潰れてしまったところで、特に何にも思わなかったんですけどね、一つ困ったことがありました。僕の家の場所を説明する際に非常に役立っていたのです。僕の家は住宅街にあるので、目印に使えるコンビニなどはないのです。
　改めて人に教える機会は、ここ最近はなかったのですが、タクシーに乗車したときなんかは、『もうちょっと行ったら、中華屋さんがあるんで、そこでおろしてください』と言えなくて、しどろもどろになった挙げ句に、『あーもうここでおろしてください。』と、結構離れた場所でおりてしまうこともありました。貧乏なものですから、タクシーに乗るときなんて、限界をはるかに超えるくらいに疲れているときだけです。それなのに、家から離れたところでおりてしまってはまったく意味がないのです。まあ、最近では、その中華屋の前に信号があることに気付いたので、『次の信号でおろしてください』と、そういえば良いんです。 などと、つまらないことに脳細胞をすり減らしていたら、本日、中華屋跡地に新しい店ができました。『韓国家庭料理』のお店ですって。はっきり言って前途は真っ暗ですが、韓国家庭料理ならば一度は行ってみたいものです。